私の革製品との向き合い方-スポーツにおける動物利用を考える

スポーツ用品は素材が本革であることが多いですが、今回は、私の革製品との向き合い方について書いてみました。

 

以下の過去記事もご参照ください。

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<革製品の生産に伴う犠牲>

インドは世界最大の皮革生産地。牛などの動物が残酷に殺されていて、多くは若年で殺されています。牛の他に、バイソン、イノシシ、鹿、シマウマ、カンガルー、象、サメ、イルカ、セイウチ、アザラシ、カエル、ワニ、トカゲ、ヘビ、ウナギなどが殺されているようで、どの動物が使われていても、商品には”とだけ表示されます。絶滅の危機に瀕していて密猟されている動物が使われていることもあるそうです。

皮革製品の生産により工場から出る排水には汚染物質が大量に含まれているので環境に悪影響であり、海洋生物が犠牲になるだけでなく、工場が撒き散らす大気や水に含まれる有毒な化学物質に晒されることで、工場労働者や近隣住民の健康にもリスクがあります。できるだけ革製品を購入しないことが理想的ですよね。

 

<本革と人工皮革>

日用品だけでなく、スポーツ用品も出来る限り人工皮革(合成皮革、合皮などとも称される。以下:合皮)を使用した製品や、本革製の中古品を選択できると理想的。

でも、本革製品は耐久性がありますが、スポーツ用品は消耗が激しいので中古品は状態が悪いこともあり安全性に疑問がありますし、使用中に汗をかくだけでなく出血することも珍しくないので衛生面に不安があります。

ということで、私は一時期、スポーツ用品は合皮製の新品を購入・使用するようにしていたのですが、思っていた以上に問題が多かったので、考えを改めてボクシングのグローブは革製品を購入・使用するようになりました。

グローブ以外は合皮製品も使用していますが、私が合皮製品と本革製品をどのように使い分けているのか説明いたします。

<合皮とは?>

布地の表面にポリウレタン樹脂を塗布し、質感を天然皮革に似せた人工素材であるPUレザー(PUはポリウレタンを意味しています)。伸縮性、弾力性、柔軟性に優れていますが高温と多湿に弱く、ポリウレタンは素材が合成された時点から劣化が始まる素材であるため、約3年で加水分解により表面がボロボロの状態に劣化するといわれています。表面がボロボロになると、残念ながら元に戻すことはできませんので、PUレザー製品は寿命の早い消耗品であると考えるべきでしょう。

布地の表面に塩化ビニール樹脂を塗布し、質感を天然皮革に似せた人工素材であるPVCレザー(PVCポリ塩化ビニール(Polyvinyl Chloride)を意味しています)。弾力性と柔軟性はPUレザーに劣るようですが、汚れに強くて加工性も高いようです。とはいえ、長年の使用で表面がカチカチに固くなったり、経年劣化で表面のコーティングが割れるなど、こちらも傷みやすい素材。

合皮は、ソファ、 車やバイクのシート、ジャケット、バッグ、スマートフォンのカバーなどによく使われていますから一見、本革のようにも見えますが、合成樹脂ですのでビニール製やプラスチック製ということになります。革独特の匂い、手触り、耐久性はなく、通気性も本革製品に劣ります。

スポーツは汗をかくので通気性のよさが重要ですが、それ以上に合皮製品は耐久性に問題があります。

合皮製のアクセサリーや靴が、保管しているうちにボロボロになってしまった経験はありませんか?合皮には、ある程度の撥水性がありますが、汗や雨などに濡れたまま放置すると急速に劣化が早まるので、すぐに拭き取る必要があります。熱に弱く湿度が高くなる場所に置いておくと劣化が進む特徴がありますので、高温になりにくく湿度の低い場所で利用・保管する必要がありますが、スポーツ用品を使うジムやグラウンドは高温多湿であることが多いですよね。

 

<本革の野球・ソフトボールのグローブ>

私は学生時代、ソフトボールをしていましたので、まずは野球・ソフトボールのグローブ選びについて書いていきたいと思います。

お子さんが野球に興味を示したら、バット、ボール、グローブを買い与えますよね。でも、始めてすぐに興味を失くしてしまうこともありますから、最初から高価なものを購入するのは避けたいですね。

合皮製のグローブは格安ですが、本革製のグローブは値が張ります。そして、捕球面のみ本革のグローブがあり、値段は合皮製と本革製の中間ぐらい。

幼稚園や小学校低学年の生徒が、柔らかいボールで使用するなら合皮製のグローブでも心配が少ないですが、軟球や硬球の捕球に合皮製のグローブを使用するのは危険です。耐久性がないので、親指と人差し指の間の部分が壊れてボールが顔面に直撃してしまう可能性もあります。合皮製のグローブは安価ですが、おもちゃ同然の品質なのです。

幼稚園や小学校の12年生でしたら、捕球面だけ本革のグローブを買い与えるとよいのではないでしょうか。小学校の34年生になる頃にはグローブが小さくなってしまいますしボロボロに傷んでしまっていることもあるでしょうから、新たにグローブを買うことになりますが、そこで本革のグローブを購入すると、少なくとも小学校を卒業するまで使うことができるでしょうし、卒業前にグローブが壊れてしまう可能性はとても低いです。ところが、そこで本革ではなく、再び捕球面だけ合皮製のグローブを購入して使用すると、耐久性に欠けるので小学校を卒業するまで使えるとは思えませんし、試合や練習中に壊れてしまって怪我をする可能性もあります。

中学生になる頃には体が一段と大きくなっていることがありますし、小学生の頃とはポジションが変わったり、小学生時代は軟式だったとしても中学からは硬式になることもありますから、また新しいグローブを買うことになるでしょう。この時も本革製のグローブを購入すれば、中学を卒業するまでは使用できるでしょう。

高校生になってから硬式野球を始める人も多いでしょうし、ポジションが変わることもあるでしょうから、やはり高校入学に合わせてグローブを買うことになる人も多いでしょう。その時も、やはり本革製のグローブを買えば高校を卒業するまでは使用できるはずです。

高校時代に購入したグローブは、使用頻度によりますが、しっかり手入れをしていれば20年ぐらい使えるのではないでしょうか。実際に、高校時代に購入したグローブをプロ入り後も長く愛用する選手がいるようです。

もちろん、20年も使えることがあるといっても、破れているところがあったり、革がひび割れていたり、柔らかくなりすぎてクタクタになったりしますから、何度か修理をすることになるでしょう。でも、本革製だからこそ20年も使えることがあるのです。合皮製のグローブは修理してもすぐにまた壊れてしまいますし、いくら修理を繰り返しても20年も使えることがあるとは思えません。安価ですが修理代のほうがずっと高くつくのではないでしょうか。

野球やソフトボールで内野を守っていたら、速くて強い打球を捕球することになります。外野手は高く上がったフライを捕らなくてはいけません。キャッチャーは速球を1試合に何十回も受けることになりますから、合皮製のグローブでは危険すぎますよね。

野球をするうえで、動物の犠牲は少ないに越したことはないでしょう。でも、合皮製のグローブを使ったせいで大怪我をしてしまう可能性もあり、すぐに壊れてしまうので何度も買い換えるのは金銭的にも環境にもよくありません。安全性、耐久性などをトータルで考えた場合、本革製のグローブを購入するべきでしょう。長持ちするものを購入して、大事に使うことを心がければよいのではないでしょうか。

<本革のボクシンググローブ>

ボクシングのグローブは、自分が相手を殴るだけでなく、相手のパンチを受けてブロックする・止める・流す・払う、などにも使います。容赦なく相手の急所を狙って殴り合う競技ですからボクシングの危険度は野球の比ではありませんし、合皮のグローブで本格的にボクシングをすることは、おすすめできません。

硬式野球だけでなくソフトボールの球も本革製ですが、野球やボクシングなど危険度の高い競技をしていると合皮製品に拘っていられません。私は合皮製のボクシンググローブを使っていたことがありますが、すぐに壊れてしまっただけでなく、ゴミが増えてしまいエコではありませんでした。壊れて何度も買い換えることになりますから、流通による動物の犠牲が増えます。私は一時期、人工皮革製品にこだわった結果、たくさんゴミを出してしまい、考えを改めたのです。

最高品質のものが合皮製品でしたら、もちろんそれを買います。でも現状ではそうではないのです。合皮製のボクシンググローブは脆いだけでなく通気性に優れていませんから手の平の部分がメッシュになっているものが多いのですが、メッシュだからこそメッシュと合皮の繋ぎ目が特に脆くて破れやすい。通気性だけでなく着用感も安全性も、合皮製よりも本革製が優れているのです。

ボクシングのスパーリング(実戦練習)では、相手の肘を強く殴ってしまい拳を傷めることもあります。肋骨など急所に打撃を受けると、打撲や骨折することもあります。合皮製のグローブでは、自分だけでなく練習相手や対戦相手が怪我をする確率も上がってしまうのです。

ちなみに、私が練習しているボクシングジムでは、合皮製のグローブを使用している人が全然いません。

子ども用のボクシングクラスには合皮製のグローブを使用している生徒がいますが、壊れてしまいゴミ箱に捨てられていることがよくあります。

私が最初に購入したボクシンググローブは本革製ですが、購入から20年近く経つのに原形をとどめています。私がそのグローブを練習に使うことはもうありませんが、クライアントさんがエクササイズに使用するには問題ない状態です。私はそのグローブを車内に入れっぱなしにしてしまうことがよくありますが、合皮製のグローブを同じように車内に放置していたら、とっくにゴミになっていたはずです。本革製品は、やはり耐久性に優れているのです。

商品はピンキリですから本革だからといって必ず長持ちするとは限りませんが、少しぐらい破損しても本革製なら修理してまた使うことができますし、メーカーが修理してくれることもあります。

「動物が犠牲になるから競技をやめろ!」と言われてしまうかもしれませんが、本革製のスポーツ用品は毎日購入するものではないので、本革のスポーツ用品を購入することによる動物の犠牲は、動物を家族として迎え入れることに比べればずっと少ないでしょう。幼い犬や猫を引き取ると15年ほどは生きますし、動物は毎日欠かさず食事をしますから、かなりの数の畜産動物を食糧として犠牲にすることになります。

 

<本革製の中古品は?>

本革製の中古品を購入して使用すればよいかというと、そうとは言えません。本革製でも中古品なら動物搾取に新たに加担していることにはならないかもしれませんが、たとえ本革でも中古品を危険度の高い競技に使用するとリスクが伴います。中古品は傷んでいるので状態が悪いと事故や怪我の原因になり、グローブには汗だけでなく自分や練習相手の血がつくこともあり、グローブの中で手が出血することもありますから衛生面にも問題があります。

 

<私のボクシングシューズ>

こちらのYouTube動画で説明しました通り、私の足に合うボクシングシューズは、私が知る限りではエバーラストの本革製のものしかありません。たくさんのブランドがボクシングシューズを製造していますが、色々なシューズを試着できるお店は残念ながらアメリカにはなかなかありませんから、ジムなどで試着させてもらって自分の足に合うことが確認できたものをインターネットで購入しています。

合皮製品にこだわって足に全然合わない靴を履いていると、満足に動けないだけでなく、姿勢や血行の悪化にもつながります。

 

<可能な限り合皮製品を選択しています>

現状では、野球もボクシングも合皮製のグローブは耐久性に欠けて脆いのですが、私が使っているヘッドギアプロテクターパンチングミットハンドミットは全て合皮製です。耐久性に欠ける合皮製品を小まめに買い換えて使っているのではなく、 最高品質のものが合皮製なのです。せっかく満足できる素晴らしい合皮製品があるのですから、本革製のものを購入する理由がありません。

 

  

<本革製品は人に譲ることができる>

私は野球とボクシングのグローブを複数所有していますが、使用していないものは人に譲ることができるので、決して無駄にはなりません。

例えば、同じジムでトレーニングしている仲の良い人のグローブが壊れてしまったり紛失した時に、私は自分が使っていないものを差し上げることがあります。

友人のお子さんが野球を始めることになったら、使わなくなったグローブを差し上げることもあるでしょう。

でも、それは本革製だからこそできることなのです。合皮製のグローブは、使用していなくても時間とともにどんどん劣化していきますから、誰かに差し上げようと思った時にはボロボロになっていることがよくありますし、見た目はキレイでも安全性に不安があります。

 

<スポーツにおける動物利用>

パワーリフティングの大会では、本革のベルトしか使用を認められていないようです。

ボクシングの試合でも本革製のグローブを着用することになります。合皮製のグローブは低品質なので、プロ・アマともに殆どの機関が本革製のグローブを使用することを要求していますし、アマチュアの大会だけでなくプロの試合(4回戦など)でも、自前のグローブではなく用意されたグローブを着用します。

他の競技に於いても、ボールやシューズなどが本革製であることがあるでしょう。

ヴィーガンであることを公表しているアスリートが、本革製のグローブやプロテクターなどを使用していることもよくあります。

 

<音楽における動物の利用>

音楽にも動物の犠牲があります。太鼓には動物の皮が使われているし、ギターのパーツや打楽器には動物の骨が使われていることがあります。三味線(蛇味線)には猫、犬、蛇の皮が使われているし、ほかにも山羊の革、馬の毛、羊の腸、牛の骨や皮など、動物の犠牲の上に成り立っている楽器がたくさんあり、ギターやベースのストラップも本革製のものがたくさんあります。

生きていくうえで食事は欠かせませんが、音楽がなくても生きていくことができますから、動物搾取に加担しないことを徹底するなら、音楽鑑賞もやめなければならなくなるでしょう。

 

<どこまで許容するのか>

食事から動物性成分を避けることは、動物の犠牲を減らすことにつながります。ビタミンB12を除き、体が必要とする栄養素は植物性100%の食事から摂取できるとされています(詳しくはeBook PLANT POWERをご参照ください)。

しかし、完全菜食を実践していても、動物の犠牲を完全に避けていることにはなりません。野菜・穀物・果実を生産する過程でも当然、動物の犠牲があります。農薬で沢山の虫を犠牲にしているだけではありません。野生動物を犠牲にしたからこそ農耕地があるのです。農薬は虫などを殺すだけでなく、農業従事者を苦しめます。農薬を使用せずにお米を生産する合鴨農法というものがあり、農薬を使用しない代わりに鴨を田んぼに連れてきて虫を食べさせますが、収穫がすんだら用済みなので鴨を殺しています。イチゴなどを生産する現場でも、用済みになった蜜蜂は巣ごと焼いてしまいます。このように生産されたお米とイチゴは植物性の食材ですが、生産過程で動物が大きく犠牲になっています。

食品添加物には原材料が動物性のものと植物性のものがありますが、どちらにせよ動物実験を経て認可されています。でも、添加物を完全に排除して生活することは難しいかもしれません。添加物だけでなくパーム油や白砂糖の生産にも動物の犠牲が伴うことがありますが、加工食品によく使用されているので、完全に避けることは難しいかもしれません。

納豆にも、付属のタレには動物性の成分が含まれていることがよくあります。植物性100%であることを疑わずにフライドポテトを注文しても、よく調べてみると成分にポークエキスパウダー、ビーフエキスパウダーなどが含まれていることがよくあります。

加工食品は包装を必要とするので、加工食品を消費すれば環境に負担がかかり、野生動物に悪影響します。

仮に動物の犠牲が一切なく生産された農作物があったとしても、商品として流通している時点で、必ず動物の犠牲が伴います。

歯磨き粉や化粧品などの日用品を購入する際に動物性成分の有無や動物実験の有無に気をつけるだけでなく、食品添加物、白砂糖、パーム油混入の心配がないホールフードを食べ、無農薬農法どころか自家栽培をして虫などの犠牲をとことんゼロに近づけることが理想かもしれませんが、どこまで徹底できるかは人それぞれということ。 だからこそ、「ここまでならできる」という線引きを各個人がするのです。完璧にできないことを分かり切った上でベターを選ぶしかありません。

 

<動物の犠牲を避けることを突き詰めると何もできなくなる>

人間が生きることを選択する限り、他の動物の犠牲無しに生きることは不可能なので、脱動物搾取を突き詰めると自死を選択するしかなくなります。

人体への喫煙の影響を解明するために、疫学研究のほか、動物実験が行われていますから、嗜好である喫煙行為も動物搾取に加担していることになります。

動物の利用に反対して水族館や動物園に行かない人も、スポーツ観戦をするのではないでしょうか?

たとえば野球のグローブとボールは革製品ですし、木製のバットを生産する過程では動物の犠牲が伴うでしょう。野球の球は打たれると変形するので、プロの試合では、とんでもない数のボールが使用されます。野球場、サッカー場、ラグビー場などの芝生がキレイなのは殺虫剤などのおかげです。

草野球をしたり、趣味で楽器を演奏したり、ペットをかわいがることもできなくなります。

人間も動物ですから、悪徳企業の商品やサービスを利用しないことも反動物搾取の実践ですが、これは動物性食品を消費しないことよりも難しいかもしれません。

<スポーツ用品のレビューを開始した理由>

野球用のグローブ、ボクシングのグローブ、(現在使用しているものを除く)ミットとヘッドギアなど、私が所持していた合皮製のものは、どれも耐久性に欠けて脆いのでゴミになりました。消耗が早い製品は、買い替えのサイクルが早くなるので環境に悪いという側面があります。

スポーツ用品を買う人は、現状では大多数の人が本革製のものを選択します。その人たちは、どうせ革製品を購入するのですから、私は耐久性と実用性に優れた最善の選択をするお手伝いをしたいと思いました。また、そういう人たちが私の存在を知ることでプラントベースの食事を取り入れてくれる可能性もありますから、僅かでも動物の犠牲が減ることにつながるかもしれません。食事を変えるだけでなく、日用品を選択する基準が変わる人も増えるかもしれません。

私一人が合皮製品の使用にこだわることで減る動物の犠牲はたかが知れていますし、ゴミが増えるだけでなく、私と練習相手が怪我をしてしまう可能性も高くなります。食事は毎日欠かせないものですが、スポーツ用品は毎日購入するものではないでしょう。ベターな選択のお手伝いをして、動物の犠牲だけでなく、少しでも流通などによる無駄が減ればよいと思い立ち、スポーツ用品のレビューを始めることにしたのです。

ちなみに私が所有しているグローブの半数以上は、練習仲間、個人売買をしている友人、コレクターなどから無料や格安で譲り受けたものです。当然ながら、新品、または新品同然の状態で入手したものしかレビュー動画で紹介していません。身近な人の練習道具が壊れたり紛失してしまった場合に、私は自分が使用していないものを譲ったことがありますし、これからもそうすることがあるでしょう。本革製品だからこそ、長いこと使用していなくても状態がよく、安心して人に差し上げることができるのです。

 

メーカーに期待>

個人でできることには限りがあるので、人工皮革の質の向上に期待したいですね。RIVALというメーカーはマイクロファイバーという素材のグローブを製造していて、合皮製品では最も評価が高いようです。まだ歴史の浅いメーカーであり、発売からたいして時間が経っていないモデルなので耐久性には疑問が残りますし、RIVAL製のグローブを使用している有名選手はマイクロファイバーではなく本革製のものを選択していますから、やはり耐久性や使用感は本革製品に劣るのでしょう。現状では、決して安くない合皮製のグローブをお試しで買うよりも、本革製品を買う方が品質に満足できそうですが、スポーツ用品メーカーだけでなく、人工皮革の開発をしている業者にも品質向上に向けて頑張っていただきたいです。

 

 <スポーツ用品の未来>

私個人は、食用としての培養肉には懐疑的ですが、合皮の品質がこれ以上向上しないと仮定した場合、培養肉をスポーツ用品に使用するのは悪くないのではないかと思います。

また、人工皮革の品質が向上すれば、ウエイトリフティングやボクシングなどの競技で合皮製品の使用が認められるようになるかもしれません。そのためには耐久性に優れた合皮の開発が欠かせません。社会全体が動物搾取の少ない方向に向かっていくことを期待したいです。

 

<まとめ>

この地球上で生き物が生きるということは、即ち他の生き物を犠牲にするということ。人間も例外ではなく、肉・魚介類・乳製品・卵などを食べていなくても、他の動物を犠牲にして生きていることには変わりがありません。

生きている限り、なにかを完璧に実行することは難しいどころか不可能ですが、その上で、どのようにすれば犠牲の少ない生活を実践できるのか、考えていきたいものです。1人が100歩進むよりも、100人が一歩進むことで、よりよい社会に近づいていくのではないでしょうか。

正解のない話題ですが、理想的な社会がいつか構築されるかもしれませんね。